疲弊したアスファルト

包み込む小ぬか雨

 

喧騒に落としてきた

記憶辿り時止まる

 

傘もささずに歩いた

涙 頬に溶けていく

体温奪う雨の匂い

あなたの声を思い出している

 

つゆくさの帰り道

争いはもうやめよう

 

胸の上で組まれた手は

物も言わずにただ

生きる意味を教えている

進むべき道 示している

 

傘もささずに歩いた

(夕凪によく似ている)

涙 頬に溶けていく

(消えていくいのち)

体温奪う雨の匂い

(冷たくなった手 伝わる)

あなたの声を思い出している

(消えないぬくもり)