誰もいない部屋の隅 クモの巣見つめ

指でそっと 絡め取る

盲(めし)いてゆく この両目 またよろめいて

吐いた 唾と蜜 

 

何も見ない僕の国 さまよう 独り

退屈を 繰り返す

モニター越しの隠し事など本当はね 

知っていたんでしょう

 

黒でないことを

白であるとも言えなくて

僕の言葉を消した

 

棘を抜いたって その先の本能は

醜く咲き誇る嘘の花

何をどうしたって 誰しも誰かを

殺さず生きることなどはない

 

忘れたいと 願うほど響く音なら

いっそもっと鳴ればいい

形のない痛み分け 辛いだけだろう

声を与えよう

 

知らないふりだけ

上手くなった 揺らぎの果てに

君の姿を消した

 

煙に巻いたって その先の本当は

手招く 脆い壁の奥へと

何をどうしたって 揺るがない真相に

応えず生きることなどはない

 

棘を抜いたって その先の本能は

醜く咲き誇る嘘の花

何をどうしたって 誰しも誰かを

殺さず生きることなどはない